今回はPS5純正コントローラ「DualSense」を徹底的に分解しました。
なかなかPS5純正コントローラ「DualSense」が手に入りにくい状況でしたが、だいぶ供給がされるようになった印象です。
しかし、リペアパーツに関してはまだまだ在庫などがない状態が続いているようです。
適度に分解清掃をして良好な状態にしておきたいところです。
今回のPS5純正コントローラ「DualSense」の分解は一つ一つ画像を入れ丁寧に解説していますので、初めて分解を試みようと考えている方でも簡単に分解する事が可能です。
コントローラの分解に必要な工具を解説していますので、PS5純正コントローラ「DualSense」を分解する前に一度読んでいただけるとスムーズに作業が進められると思います。
PS5純正コントローラ「DualSense」の型番
今回の分解に使用したPS5純正コントローラの型番は、「CFI-ZCT1J」です。
分解に伴って修理をおこなう場合は、事前にコントローラの型番を確認し適合するパーツをしらべましょう。
メイン基板までの分解
まずはメイン基板までアクセスするところまでの分解をします。
スティックのジャイロ等の不具合を解消するにはメイン基板まで分解する必要があります。
PS5純正コントローラは各部がしっかりと強度が出るように一つ一つのパーツが取り付けてあるので、殻割りするにあたってオープナーなどの特殊工具があった方が部品の破損なく上手に分解できるでしょう。
L1・R1トリガーを外す
まずPS5コントローラを殻割りするにあたってL1.R1トリガー下とコントローラ底部にあるネジにアクセスしないと開けられません。
まず、L1.R1トリガーを取り除きます。
これはツメで引っかかっているだけなので簡単に引っこ抜く事ができます。
プラスチックやテフロンなどでできた素材の棒を隙間から差し込み、テコの原理で外します。
勢い良くやって部品が飛んでいかないように上に指などを添えると良いでしょう。
取り除くのに、さほど力は要りませんので落ち着いてゆっくりおこないましょう。
金属製のものでやると部品に傷つきやすいのでやめましょう。
黒い本体カバーを外す
次にコントローラ、グリップ底部にあるネジにアクセスするため、黒いカバーを外します。
境い目に薄いプラスチックなどのカードを差し込み、矢印の方向に力を加えるとツメが容易に外れます。
これを左右のグリップ底部におこないます。
この黒いカバーを手前から起こすようにすると他のツメが外れていきます。
全てのツメが外れたら、手前に引き黒いカバーを外します。
本体の殻割り
トリガー上部から2本のネジが見えます。
コントローラ、グリップ底部に2本のネジが見えます。
これら計4本のネジを外します。
アクセスが難しい事はありませんので、通常の精密プラスドライバーで外せます。
PS4よりもネジ山が多いので締め込みが少々硬いです。
ネジを外し終えたらコントローラを開くため、手前のツメ2箇所を外し浮かせます。
手前から起こすように開きますが、グリップ側面のツメは硬いので、ゆっくりと慎重に開きましょう。
手前から起こすように開き、ここまで開けばスムーズに開けられます。
これでコントローラのカバーが開きました。
ちなみにですが、トリガーを引いても戻らない場合は、ここのバネが破損している事があります。
バッテリーを外す
次にバッテリーを外します。
バッテリー本体はバッテリーケースにハマっているだけです。
これはPS4純正コントローラと同様な造りです。
バッテリーコネクタは、バッテリーケース側面とトリガーの間の少し狭い箇所にあります。
バッテリーコネクタの差し込みが硬いので、ピンセットや小さなラジオペンチを使って外します。
バッテリーケースを外す
バッテリーケースを外します。
バッテリーケースはネジが1本、細いフレックスケーブルが接続されています。
PS4純正コントローラと違い、フレックスケーブルを見落とさないように注意しましょう。
メイン基板を外す
バッテリーケースを外すとメイン基板が顔を出します。
メイン基板には白いフレックスケーブル3本、茶色いリボンケーブル1本が接続されています。
それぞれ根元辺りが硬い素材になっているので、それを指で摘むかピンセットで摘んで抜きます。
折れたり、千切れたりしないよう慎重におこないましょう。
メイン基板はツメ2本、ガイドピン2本があります。
ツメを開きメイン基板をまっすぐ引き抜きます。
メイン基板と振動モーターの配線はハンダでつながっているので、メイン基板をひっくり返すようにして外します。
PS4純正コントローラと同様のやり方です。
スティックカバーは、接着などされていませんが硬く抜けにくくなっています。
スティックが勝手に動く、ドリフトする等の不具合がある場合は、この時点でスティックモジュール基板をエアダスターでゴミや汚れを取り除くと良いでしょう。
メイン基板の型番は表面に記載されています。
今回、分解したPS5コントローラ本体の型番は「CFI-ZCT1J」です。
メイン基板の型番は「BDM-020」でした。
フロントシェルとモーターハウジングはネジ2本で固定されています。
PS4純正コントローラと比べて機能も追加されているため、ここまで分解するのもケーブル等が増えていました。
しかし、基本的な部分の造りはPS4純正コントローラと共通していますので、過去にコントローラを分解した経験がある方ならスムーズにおこなえるでしょう。
ここまでの流れを動画でも解説しています。
フロントシェル分解
ここからはフロントシェルに付属している各パーツを分解します。
「ボタンが効かない」等の不具合の場合、ゴムラバーの劣化や破損している事があります。
その場合、フロントシェルを分解する必要があります。
基本的な構成はPS4純正コントローラと似ています。
各ボタンのゴムラバー
十字キー等、各ボタンにはゴムラバーが付いていて指で簡単に外れます。
ボタンが効かない、効きが悪い時はこのゴムラバーの劣化や亀裂が原因の場合があるので目視で分かる割れなどがあったら交換が必要です。
各ボタン類
ゴムラバーを外すと各ボタンが外れます。
不用意にフロントシェルを逆さまにすると、スルッと抜けてしまうので紛失に注意です。
マイクスピーカーケーブル
PS4純正コントローラにはなかったメイン基板へ接続されていたマイクスピーカーケーブルです。
赤い枠のツメ部分を外します。
赤い矢印部分からケーブルを通して引き抜きます。
ライトバー部
ライトバー部は赤い矢印部分のツメを外すと抜けます。
タッチパッド部
タッチパッド部は赤い矢印部分のネジ1箇所を外します。
タッチパッド部は白い側と黒い側でフロントシェルを挟み込むように取り付いています。
黒いタッチパットの透明プラスチック部品はツメ2つを外すと取れます。
ボタン部補強ゴム(名称不明)、タッチパット枠はそのまま引き抜けます。
ここまでの流れを動画でも解説しています。
モーターハウジング周りの分解
モーターハウジング周りには各ボタンの導電性フィルムやLRトリガー部が繋がっています。
導電性フィルムは折れや破れの恐れがあるので取り扱いには注意です。
ボタン導電性フィルム
まずモーターハウジング裏面、赤枠のピン2箇所から導電性フィルムケーブルを外します。
そして、モーターハウジング表面への赤枠4箇所のピンから導電性フィルムケーブルを外します。
導電性フィルムは少し硬く貼り付いている場合があるので破かないように注意しましょう。
L.Rトリガー部
L.Rトリガー部はモーターハウジング表面にあるネジ4箇所を外します。
L側・R側、それぞれが外れます。
L.Rトリガー分解
PS5から追加された新機能の「アダプティブトリガー」そのトリガーの分解です。
PS4純正コントローラとかなり違い、基板やギア類が追加されており全く別モノです。
R側が15、L側が16と基板に刻印がありますが、外観ではどちらも同じ部品と基板のようです。
分解するにあたりネジにアクセスするためにトリガーボタンのフレックスケーブルを外す必要があります。
ケーブルを外し、下のネジ1本を外します。
裏側はネジ3本を外します。
パカっと開くとトリガー内部が出てきます。
小さいモーターと基板は半田付けされているので基板を外す必要があります。
赤い矢印のツメに基板が付いているのでこれを外します。
これでトリガー内部のギア、モーター、基板が取り出せます。
これがPS5から搭載されているトリガーシステムです。
ゲームの種類によって、このトリガーの引き代が重くなるという造りです。
ちなみにですが、ギア類には特にグリス等は塗布されていませんでした。
L・Rトリガーを取るにはこのピンを抜かなくてはいけません。
ラジオペンチで簡単に取れます。
L・Rトリガーのゴムラバーと導電性フィルムが出てきました。
ここまで分解しなければ、LRトリガーの導電性フィルムとゴムラバーは交換できません。
ここまでの流れを動画でも解説しています。
まとめ
今回はPS5純正コントローラ「DualSense」を完全に徹底的に分解しました。
PS4純正コントローラより新しい機能が搭載されているので、部品点数がかなり増えていて分解に少々時間がかかります。
ネジの本数は増えたものの、全てのネジのサイズは共通で間違える事はありません。
分解の中で一番難しかったのは序盤の殻割りです。
他機種のコントローラよりも格段にツメが硬く割れてしまうのではないかと不安になりました。
しかし、単純にツメが硬いのではなく一つ一つのツメは浅く、ただツメの量が多いため硬く感じたのだと思います。
全ての部品を分解して感じた事は、部品それぞれの剛性は低いですが、組み合わせる事で撓り剛性を確立しているように感じました。
ネジの締結箇所を減らし部品を収納するスペースを確保しつつ剛性を維持する、そんな技術者たちの努力を感じるコントローラだと思います。
今回、全ての工程を順に画像付きで解説しましたので、初心者の方でもゆっくりおこなえば確実に分解する事が可能だと思います。
是非、チャレンジしてみてください。
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