コントローラのスティックモジュール基板を分解したら接点復活剤をかける無意味さと耐久性が理解できた【コントローラ/分解/ドリフト現象】EL6 ALPS 2.1K

コントローラを使用しFPSゲームをしているユーザーは常日頃から「ドリフト現象」に悩まされているでしょう。
普段のメンテナンスでスティックモジュール基板のセンサー部の清掃をしたり、摩耗・破損により寿命と判断しスティックモジュール基板の交換やコントローラ自体を買い替えるまで至ることもしばしばある事です。
今回はユーザーが最悪の場合、コントローラを買い替えるまで至ってしまう原因の一つとなっているスティックモジュール基板を分解してみました。
本来であればスティックモジュールはセンサー部までしか通常分解は出来ないようになっていますが、使用しないスティックモジュール基板があるので今回は分解を試みました。
今回、分解したスティックモジュール基板はセンサー部が緑色、底部が青色のもの【EL6 ALPS 2.1K】です。

「ドリフト現象」の主な原因はアナログスティック内にあるスティックのモジュール基板(通称:サイコロ基板)に入り込んだゴミなどで発生する誤作動によるものです。

センサー部

先ずは緑色のセンサー部を取り外します。
ここは取り外せる造りになっており、上部に精密マイナスドライバーなどでこじ開けられるようになっています。

センサー部詳細

取り外した緑色のセンサー部です。
ゴミや汚れの蓄積によって「ドリフト現象」を引き起こす原因の場所と言っても過言ではありません。
黄色のスティックモジュール基板とは互換性がありません。

本体分解

4箇所のツメが本体の内側に折れ曲がって固定されています。

4箇所のツメを起こすと中身が顔を出します。
起こしたツメを元に戻して再利用するには少々難しい印象です。

サイコロ基板の底部を外すと内部の軸等はポロっと落ちてしまいます。
内部はシリコンオイルのような潤滑油が塗られていました。

本体のガワ

本体のガワとスティックの押し込みボタンのガイドです。
押し込みボタンのガイドは本体のガワにハマっているだけでした。

本体のガワです。
4面の形状はそれぞれ違い役割が違います。

スティックの押し込みボタンのガイドです。

本体の底

本体の底部です。
マイクロスイッチが突き刺さるように入っています。

スティック押し込みボタンは、どこにでもある良く見るマイクロスイッチです。
足の長さは約5mmでした。

本体底部の部品です。
底にはシリコンオイルのような潤滑油が溜まっていました。

スティック軸部

スティック軸部は、ガイド・スティック軸組品・スプリング・ピンの順で組まれています。
スプリング以外の部品はプラスチックです。

白いガイド部品、横の突起部がセンサー部に刺さり横方向の動きをセンサー部に伝えます。

画像の奥の突起がセンサー部に刺さり縦方向の動きをセンサー部に伝えます。
手前の突起はスティックを押し込むことで押し込みボタンのマイクロスイッチへと力が伝わります。

スプリング。
スティック押し込みボタンの反発の返しの役割と、スプリングの引張力でスティックモジュール基板内部の保持をしています。

白いピン。
スティック軸・スプリング・白いピンの部品でスティックモジュール基板のセンター位置が決まります。

まとめ

今回はスティックモジュール基板の本体を分解してみて、繊細で絶妙な造り初めて分かりました。
「ドリフト現象」を直す動画でたまに観ますが、このスティックモジュール基板の本体側に接点復活剤やパーツクリーナーを吹きかけるものがありますが、それは絶対にダメで全く意味がない事が分かりますね。
本体内部にはシリコンオイルのような潤滑油が塗布されていますし、本体側で「ドリフト現象」を直すには内部の部品の形状を変形させる他ないからです。

修理をするとすれば、スティックモジュール基板本体は基本に何もしない、センサー部を清掃するに留めておくのが最善です。
そして、ほとんどの部品が小さく薄いプラスチック部品で構成されているため、これでは耐久性は低いというのが分かります。
精度と耐久性の両立は捨て、安く仕上げて壊れたら交換というサイクルを選んだのか?と感じました。
以上がサイコロ基板を分解して見て分かった事、感じた事でした。
最後まで読んで頂きまして感謝です。
分解している様子を動画にしています。
その他コントローラ関連の動画も上げていますので、良かったら一度観ていただけると嬉しいです。

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